遺産相続の悩みで多いことは?
- コラム
遺産相続に関する悩みの中で特に多いのは、相続人同士のトラブルや遺産の分配に関するものです。
たとえ家族であっても利害関係が絡むと感情的な争いに発展しやすく、相続をきっかけに兄弟姉妹の関係が悪化してしまうことは珍しいことではありません。
特に、親が遺言書を残さずに亡くなった場合には、法定相続分に従って財産を分けることになりますが、相続人それぞれの生活状況や、親との関係性の深さなどが複雑に影響し、配方法に不満が生まれるケースは多く、自分の方が多くもらうべきといった主張が出ることもあります。
また、相続財産に現金が少なく不動産や有価証券など分割が難しい資産が含まれている場合には、誰が何を相続するかを巡って揉めやすくなります。不動産を相続したい人が複数いる場合や、他の相続人に代償金を支払う能力がない場合には、協議が難航する原因になります。
さらに、相続税の負担も悩みの種のひとつとなります。
相続税がかかる場合には、申告と納税の期限が限られているため、手続きに不慣れな相続人は大きな負担となります。資金の準備が間に合わず、やむなく不動産を売却して現金化するケースも少なくありません。
手続き面でも問題は多く、相続手続きには多くの書類や証明が必要となり時間と労力がかかります。戸籍謄本の収集、遺産分割協議書の作成など、専門的な知識が求められる場面も多く、何から始めればいいか分からないという声も多く聞かれます。
このように、遺産相続を円満に進めるためには、生前からの準備と家族間の十分なコミュニケーションが不可欠といえます。